他の場面では主人公の侍万次郎が他の侍に陽だまりの樹の事を語っています。
「陽だまりの樹はぬくぬくと300年の太平の夢をむさぼって
一見頑丈そうに見えるが 実は倒壊寸前まで腐り果てているんだ・・・・と」
「あの地震のひと揺れ目に、二抱えもあるあの樹がボッキリ折れたそうですよ、いとも簡単に・・・・・」
「地震・・・・というのはまさに外国の侵略の手にあたりますね 清国のように!」
「だのに今の政府は 派閥とか 賄賂とか あるいは無能 無策という 白アリどもでくい荒らされてるわけです」
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なんだか今の状態に似ていますね。清国にあたるのは左側の巨大な人口の国かな?
この時は陽だまりの樹である江戸幕府が倒れて明治維新が起き、新しい政権ができました。
明治は戦争の時代で、良い時代ではなかったけれど、列強に飲み込まれずに済むにはそうするしかなかったのかもしれません。
それでもその中で、侍である万次郎は維新の真っ只中で自分の信念に従って戦い、医者である手塚治虫の先祖良仙は医者として旧態依然の漢方医達の権威と戦い。
その頃の女の人達は、選挙権も無ければ意見を言うこともなかなか許されない中で、家族を守り、あるいは愛する人のために必死で生き抜いた。
どんな時代でもみんな置かれた立場で精一杯自分にできる戦いをしていたんだな~と思います。
私達全員が陽だまりの樹のような状態でぬくぬくとしていてはいられないのだろうな、と。