jerremyのブログ

ーービートルズ大好き人間ーー60年代、70年代ロックの事、落語や漫画の事などをつれづれなるままに

「世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男」MR.JIMMYの桜井さん

ちょっとしたきっかけがあって、「世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男」ジミー桜井 | 田坂圭 | 著
 を読んだ。

これは2018年に発行されているので、本の紹介はきっとsmokyさんの「かぶとむし日記」にあるだろうと思い、検索してみたらやっぱり、2019-05-28 エル・ファニング主演の『ガルヴェストン』を見る(5月25日)の中にありました。
なので私のはただの感想文です。

ZEPPELINのことを検索している時にたまたま見つけて、ちょっと興味をひかれたのであまり期待しないで読んでみたら、おもしろくて途中でやめられなくなりました。

私もsmokyさんと同じくこの本を読むまではナメていたと言っていいでしょう。
トリビュートバンドというもの自体、私はものまねバンドくらいの認識しかありませんでした。
クロコダイルにMR.JIMMYを見に行ったのも、生バンドの音でZEPPELINの曲が聴けたらいいな、という程度の気持ち。
ところがところが、その演奏技術のすばらしさはもちろん、ふと本物のジミーが目の前で動いているような不思議な気持ちになって目をパチクリしてしまいましたよ。

ただ、もともとあまりライブに行くという習慣も無く、私の耳には狭い空間でのあの爆音は大きすぎて苦しく、一度しか行っていません。
その頃知った事は、トリビュートバンドにも大変なマニアックファンがいて、毎回来てる人、追っかけも居ること。
あれなら確かにそういう魅力を感じるでしょうと納得したのでした。

その魅力がどこから来るのかというのが、この本を読んでよくわかりました。
高校生の頃からあれだけの実力がありながら、いわゆる「プロ」にはならなかった理由。
ただひたすらに自分の心の本気で望む事のみを追求してきた結果がトリビュートバンドだったわけで。

何度も有名なプロバンドに誘われても「これは自分がやりたいこととは違う」というので加わらずに就職しながら自分のバンドを作り。
さらにその活動そのものが世の中に知られて、アメリカの有名なトリビュートバンドに参加してツアーをやりながら、それでも納得してしまう事が無い。

普通の人なら別の仕事を持ちながらバンドをやっていて、それが認められてアメリカに進出できて食べて行かれるようになったら、有頂天ですよね。
「ああこれで夢がかなったな~」と、少々好みに合わないことがあっても無難にこなして続けていくだろうと思いますが。

桜井さんはそうじゃない。新入りなのになんとアメリカでかなりなキャリアを築いているトリビュートバンドのあり方を、自分流に変えていこうとする。
現状にあぐらを掻くこと無く、どこまでも自分の理想を追求して行くんですね。

その熱意のすごさ!!
ZEPPELINというバンドに対する愛!そのジミーペイジに対するリスペクトの深さ!
もう圧倒されます。

それでこそジミー本人を感動させ、「初心に返れたよ」と言ってもらえたんでしょう。
ニアミスからジミーにに会うまでのワクワクドキドキも、この本のハイライトですね。

私は楽器をやらないので、読んでもあまりわからなくて飛ばし読みしてしまいましたが、機材についてもかなり詳しく説明されているので、これからトリビュートをめざす方には勉強になると思いました。

もうひとつ、LedZeppelinの伝説の再結成ライブでのドラマー、ジェイソン・ボナムのバンドにも桜井さん参加してたんですね。そのエピソードで書かれているジェイソンはすごくいいヤツ。
彼のこの性格があったから、気難しい老人3人の潤滑油になって、あの夢の一夜が実現したんだなと思いました。そうでなければリハーサルの段階できっと決裂してたと思います。
MR.JIMMYのサイトを見てきたら、ジェイソンもCOVID19のせいでツアー延期したらしい。
イギリスも死者の数がものすごいですから、ジミーペイジ、ロバート、ジョンポールジョーンズ、みんな高齢者なので心配。
でも彼らは広大な敷地の奥に居れば感染者と会う心配も無いでしょうか。